2009/05/01

ガス・ヴァン・サントの新作『ミルク』を観て号泣。


映画の日なので、先月は3本観たが、今月は稽古中ということもあり1本。『スラムドッグミリオネア』と迷って『ミルク』を観る。ガス・ヴァン・サントの映画を観て号泣するとは思わなかった。つか普通の映画撮ってるの初めて見た(笑)ゲイ映画だし、ミルクってザーメンのことかと思ってたら名前だった。本当すみません。いやはやしかしゲイ解放運動家としての伝記とも言える作品だからって、いつもの奇抜な感じな名残はあるけど(この監督のアップの画角のみで進む繋ぎ方は好き。あのやり方で奥行きを想像させるのってすごい)なんかガスが監督じゃないような(笑)こんなオーソドックスな撮り方するとは幅広いね。テーマが監督自身のアイディンティティでもあるゲイに関してだからかそうさせるのかな。ニルヴァーナとかスケーターとか、コロンバインとかの映画撮ってもチラリチラリと無理矢理男同士の濡れ場を挿入して来た監督なんですが、もうこの映画では、真っ向勝負で全開。いままではただの性癖としか取れなかった男同士のキスシーンが、こんなにも真摯で切なくてエロティックだなんて。ノンケの僕からでもショーン・ペンのキスが本当に愛おしく見えるなんて、そんなマジックありかよ!アカデミー主演男優賞が相応しすぎる。演説のシーンとか、本当心の底からアジられて泣いた。「勝つよりも何を発言したかが大事」って格言は肝に刻んで置きます。ありがたや。

僕と同じく5月に公演を控えている盟友・エレファントムーンのマキタカズオミくんが、最近は過激な作品よりも「谷川史子の漫画読んでビービー泣いてる」ので「いい話が書きたい」とblogに書いてて。その癖出回ってるフライヤーは包帯ぐるぐる巻きの女の子のイラストなんだけど(笑)僕も『ミルク』観てビービー泣いたら、なんだか普通にいい話を書きたくなって来た。僕らみたく捻くれてる人間が「普通にいい話」ってイメージして書くくらいが丁度いいのかもね。結局どーせ、自分の業は滲み出てしまうんだから。『ミルク』も普通にいい話なんだけど、ガス・ヴァン・サントの業が所々滲み出たり投影されてて、奇跡のバランスだったもんなあ。

text ハセガワアユム(MU)

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